連日値上げのニュースが相次いでいますが、イギリスでも、フィッシュバーガーのセット価格が日本円で約3000円など、激しいインフレが生活を直撃し、新たな首相選びも左右する事態となっています。

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イギリス・ロンドンにあるファストフード店で、フィッシュバーガーのランチセットを注文すると、価格は日本円で約3000円でした。

レストランのオーナー
「食材を仕入れるたびに、全てが値上がりしています。今後、料理も15～20％は値上げしないといけません」

英国家統計局によると、ロシアのウクライナ侵攻などでエネルギー価格が高騰する中、イギリスでは7月のインフレ率が10％を超えました。

ロンドンでは先月、無料で食料品などを提供する「フードバンク」に長い行列ができていました。最近は、いわゆる中間層の人もやってくるといいます。

フードバンク運営するNGO代表
「ロックダウンの時より、状況はずっと悪いです。寄付をする側だった人たちが、ものを買えなくなっています」

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特に深刻なのが、光熱費の高騰です。ロンドンに住む日本人女性に話を聞きました。

ロンドン在住　直子ミスラさん
「6月までは111ポンド（約1万7800円）でした。それが7月から、183ポンド（約2万9500円）になりました」

電気の使用量はほとんど変わらなかったにもかかわらず、月々の電気代が6割以上も上がったといいます。夜でもなるべく電気をつけず、省エネタイプのLED（＝発光ダイオード）電球に変えるなどの対策をしています。

直子さんの夫　アクシャさん
「これ以上は光熱費が上がらないことを願っていますが、見通しは非常に不透明ですね」

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こうした中行われているのが、ジョンソン首相の次のリーダーを決める与党・保守党の党首選挙です。トラス外相とスナク前財務相の一騎打ちとなっています。

選挙前の最後の討論会では――

イギリス保守党　党首選候補　トラス外相
「（物価高対策として）減税を行います。国民保険料の引き上げは間違いでした」

イギリス保守党　党首選候補　スナク前財務相
「私の政策こそ、インフレへの正しい対応策です」

共に、物価高対策を前面に押し出していました。

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保守党員による投票は、既に締め切られています。党員を対象にした世論調査では、トラス氏が倍近い支持を集めています。その理由の1つが、東京ドームと同じ広さという敷地に建てられた豪邸です。

記者
「奥に見えるのが、スナク氏の自宅です。広大な敷地に大きな池もあるのが見えます」

地元メディアは「激しい物価高の中で、その富豪ぶりが逆風になった」と指摘しています。

対するトラス氏は、外相として、ウクライナ侵攻で断固たる姿勢を示し、「鉄の女・サッチャー元首相の再来」との評価も得ています。一方、SNSでは、歌手のテイラー・スイフトさんら有名人との写真や自撮り写真を次々と投稿し、「インスタ女王」の異名も持っています。

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物価高が最大の争点となっているイギリスの次の首相選び。選挙結果は日本時間5日午後8時半ごろ明らかになります。