議長声明取りまとめは…ASEAN首脳会議
ラオスで行われているASEAN(=東南アジア諸国連合)の首脳会議は7日、議長声明の取りまとめを目指す。南シナ海の情勢をめぐり、中国に対してどこまで強いメッセージを打ち出せるかが焦点。
南シナ海問題が焦点の今回の会議だが、中でもフィリピンは当事国で、中国と領有権を争っている。国際会議デビューとなったドゥテルテ大統領は、自らの暴言のせいでオバマ大統領との会談をキャンセルされるという波乱の幕開けとなった。
大統領の声明を発表する報道官「私の過激な発言が懸念や苦痛を引き起こしたことが原因だ。オバマ大統領への個人的な攻撃となり後悔している」
そのドゥテルテ大統領は、就任後初めて安倍首相と会談したが、この中では「中国との対話は『法の支配』にのっとって行っていく」と述べ、対話に前向きな姿勢も示した。安倍首相からは、フィリピンの沿岸警備能力の強化のため、新たに大型巡視船2隻を提供する方針を伝えた。
会議は7日、議長声明の取りまとめを目指すが、南シナ海の情勢について「深刻な懸念」を示す一方で、中国の主張を否定した仲裁判決には言及しない見通し。中国との経済的なつながりなどから配慮せざるを得ないASEANの苦しい立場を反映した形だ。
ASEANとして中国をけん制する強いメッセージが打ち出せるかは不透明な状況。7日からは日本も参加する関連会議が開かれ、日本としては一致して中国に自制を求めることで理解を得たい考え。