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南シナ海“領有権”判決 共同声明で触れず

2016年7月25日 18:53
南シナ海“領有権”判決 共同声明で触れず

 ASEAN(=東南アジア諸国連合)の外相会議は南シナ海の問題をめぐって協議が難航した。ようやく出された共同声明では、南シナ海での中国の主張を否定した仲裁裁判所の判決については触れられなかった。

 今回のASEAN外相会議では、南シナ海問題をめぐりASEAN各国が一致した対応を示せるかが焦点となっていた。ASEAN外相らは23日から協議を続け、25日朝、ようやく共同声明にこぎ着けた。中国と経済的なつながりが強いカンボジアなどの反対があったためだ。

 今回の共同声明では、中国を念頭に南シナ海での開発や深刻な懸念を表明。しかし、今月、仲裁裁判所が出した南シナ海での中国の領有権を否定した判決については一切触れられなかった。

 中国は25日、ASEAN外相らと会議を開いたが、中国の王毅外相によると、各国は、仲裁裁判の判決に対して立場をとらないことを確認したという。また、南シナ海の問題は当事国の間での問題であるという中国の姿勢に支持が得られたと強調した。

 26日はアメリカや日本も加えてASEAN外相との会議が行われる予定で、最終的にASEANとしてどのような立場を示せるか注目される。