南シナ海問題めぐり日米と中国が対立
8日、ラオスでASEAN(=東南アジア諸国連合)に加えて日本、アメリカ、中国なども参加する「東アジア首脳会議」が開かれた。焦点の南シナ海問題をめぐって日米と中国の対立が際立つ形となった。
会議では、南シナ海での中国の主権を否定した仲裁裁判所の判決について、安倍首相が「当事国を拘束する」と述べた他、アメリカのオバマ大統領も会議後、判決の法的拘束力の重要性を強調、中国に対し、判決に従うよう改めて求めた。
これに対して中国側は、ASEAN各国からは判決に言及がなかったことを強調し、日米をけん制した。
中国・劉振民外務次官「2つの域外国が、判決に拘束力があり実行しなくてはならないと主張した」
議長声明はまだ出ていないが、中国に配慮するASEANの意向を反映して、仲裁判決への言及など厳しい表現は見送られる見通し。
一方で、南シナ海では今月に入ってからもフィリピンと領有権を争う海域に中国船が集まるなどしていて、中国の海洋進出の動きは収まる気配がない。仲裁裁判所の判決をテコに中国の海洋進出に歯止めをかけようとした日本とアメリカだが、経済力を背景にASEANとのつながりを強める中国の前に、いまだ有効策を見いだせていない。