“南シナ海”議論か東アジア首脳会議始まる
安倍首相はASEAN(=東南アジア諸国連合)に加えアメリカや中国の首脳が参加する東アジア首脳会議(=EAS)に出席している。南シナ海の問題で激しい議論も予想される。
東アジア首脳会議は、8日午後3時ごろに始まった。安倍首相はこの会議を南シナ海問題で直接中国と渡り合うヤマ場と位置づけている。
会議の中で安倍首相は、南シナ海で中国の主権を否定した仲裁裁判所の判断に従うよう求めると共に、南シナ海の人工島の軍事拠点化を進めていることについて、中国を強くけん制する考え。一方、中国の李克強首相は会議前、日本などの姿勢を念頭に問題解決を「妨害する動き」と発言していて会議でも猛反発が予想される。
ただ、会議の終了後にまとめる議長声明では、中国に配慮するASEANの意向を反映して仲裁裁判所への言及など厳しい表現は見送られる方向。
この会議を最後に安倍首相は一連のアジア歴訪を終え、帰国の途につく。中国とは南シナ海の問題で激しい議論となった一方で、尖閣諸島を含む東シナ海をめぐっては、偶発的な軍事衝突を防ぐためのホットライン設置などの協議加速で合意するなど、緊張緩和の足がかりを得た。
中国とは、年内に韓国を交えた首脳会談も呼びかけているが、中国の海洋進出に毅然とした対応を取りつつ対話を継続できるかが今後の課題となる。