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トランプ氏一転「大統領を尊敬」初会談で

2016年11月11日 13:10
トランプ氏一転「大統領を尊敬」初会談で

 アメリカのオバマ大統領と次期大統領となるトランプ氏がホワイトハウスで会談し、政権移行にむけた課題などを話し合った。ワシントンから近野宏明記者が伝える。

 選挙戦を通じてオバマ大統領を非難し続けてきたトランプ氏だが、10日は打って変わって「大統領を尊敬している」などと謙虚で慎重な姿勢に終始した。

 会談はオバマ大統領の招きで行われ、来年1月の政権移行にむけ外交や内政の課題などを話し合った。選挙からわずか2日で会談するのは異例の早さ。

 オバマ大統領「我々はあなたの成功のために、あらゆることをするつもりだ。あなたが成功すれば、アメリカの成功となるのだから」

 トランプ氏「我々は良いことも難しいことも話し合った。これからオバマ大統領やスタッフと共に仕事をするのがとても楽しみだ」

 トランプ氏の妻・メラニアさんもミシェル夫人と会い、ファーストレディーとしての準備について話し合ったという。

 選挙からわずか2日での会談というタイミングの背景には、スムーズに政権を移行し、自らの肝いりの政策を継続させたいオバマ大統領の意向の強さがうかがえる。選挙期間中、トランプ氏はオバマ政権の政策をことごとく批判し、見直しを明言してきた。オバマ大統領としては、早い段階で会談することで、トランプ氏がどこまで柔軟性があるのか見極め、対策を練りたい考えがあるとみられる。

 トランプ氏は連邦議会も訪れ、共和党幹部との間で今後の協力を確認した。また議会のバルコニーからは来年1月に行われる自らの就任パレードのルートについても説明も受けた。

 トランプ氏「優先課題はたくさんある。国民はとてもとても満足するだろう。(Q:イスラム教徒の入国禁止については?)みんな、ありがとう」

 トランプ氏は波紋を広げている肝いり政策の一つ、「イスラム教徒の入国禁止」を本当に実行するのか質問されたが、明言を避けた。

 ワシントンでの慌ただしい時間を過ごしたトランプ氏は、すでにニューヨーク市内の自宅に戻っていて、政権の人事構想などを練っているとみられる。