×

韓国では今夜もデモ…退陣求める声も

2016年11月21日 23:49
韓国では今夜もデモ…退陣求める声も

 韓国の検察は朴槿恵大統領も共謀関係にあると、異例の判断を下した。韓国各紙は「史上初の容疑者大統領」と報じている。

     ◇

 朴大統領に向けた抗議の声は21日夜もソウルの街中に響いた。巨大なうねりの原因となった、朴大統領の友人による国政介入疑惑。検察は20日、友人の崔順実被告と大統領の側近の安鍾範被告を職権乱用などの罪で起訴。また、別の側近のチョン・ホソン被告も公務上秘密漏えいの罪で起訴した。

 さらに、韓国検察は20日、「相当部分に関して(大統領が)共謀関係にあると判断した」と発言。つまり、朴大統領を「容疑者」だと認定したのだ。

 21日の朝刊も、「史上初の容疑者大統領」などと、各紙が一面で報じた。“容疑者扱い”に、大統領側は猛反発。また朴大統領の弁護士は、今週応じるとしていた事情聴取を一転して拒否し、“全面対決”の様相となっている。

     ◇

 ソウル市民はどう思っているのか-。

 女性「(Q.検察の発表については?)当然の結果ではないかと思います」「(Q.大統領側の聴取拒否は?)時間稼ぎだと思いますが、国民がデモをしている状況で、そのような態度を続けるのは難しいと思います」

 一方、検察側に苦言を呈する人も-。

 男性「まだ事情聴取をしていないのに、一方的に発表するのはどうか」

     ◇

 朴大統領が“共謀”したとされている罪の中身とは、何なのか。

 まずは、崔順実被告と安鍾範被告が問われている罪。起訴状によると2人は、スポーツ関連の財団などを設立する際、複数の大企業に対し出資を強要。この時、朴大統領が自ら大企業のトップに会い出資を依頼した他、側近にも指示を出していたという。

 そしてチョン・ホソン被告は、政府の機密資料を崔被告に流出させた罪に問われているが、これも朴大統領の指示だったというのだ。

 憲法の規定で、現職大統領が刑事責任に問われることはないが、検察は、捜査を続けるとした。また、来月上旬には政府から独立した「特別検察官」の捜査が始まるとみられ、その期間は最長4か月。そして、大統領を辞職させるための手続き「弾劾」も現実味を増してきたが、審議には最長で半年かかる。

     ◇

 長期化が予想される、韓国の混乱。朴大統領の支持率は、3週連続の5%を記録した。国民の怒りが収まるときは来るのだろうか。