キューバからの亡命者“独裁者の死”に歓喜
キューバで約半世紀にわたり「反米の象徴」として長期政権を率いてきたフィデル・カストロ前国家評議会議長が25日、90歳で死去した。一方、カストロ前議長が主導したキューバ革命により故郷を追われ、亡命した人たちが多く住むアメリカ・フロリダ州では市民が歓喜の声を上げている。
フロリダ州マイアミではキューバの国旗を手にした人など数千人が集まり、まさにお祭りムード。多くはキューバ革命に反発しアメリカに亡命した人とその家族で、「カストロ前議長は我々の財産を奪った独裁者だ」などと話している。
キューバから移り住んだ人たちが大勢住むマイアミの「リトルハバナ」と呼ばれる街では、カストロ前議長の死去を受けて市民らが街頭に出て「キューバ」「自由」などと歓喜の声を上げている。
(キューバからの亡命者)
--幸せだ。独裁政権はもうこりごりだ。
--カストロ前議長はたくさんキューバ人を殺した。彼がいなくなってうれしいよ。
この日は、カストロ政権の打倒を目指した人たちを称賛する石碑のまわりに数千人もの市民が集まったため大通りも封鎖されている。オバマ大統領が哀悼の意を示したのに対し、歓喜にわく亡命した人々。トランプ次期大統領も批判的な声明を発表するなど、カストロ前議長への評価がいかに二分されているかの証しと言えそうだ。