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オバマ氏 イラン核合意の有効性を強調

2017年1月18日 21:10

 トランプ新大統領の誕生を間近に控えた16日、アメリカのオバマ大統領やケリー国務長官らが声明を出し「イランとの合意で世界はより平和になった」などと合意の有効性を訴えた。合意に批判的なトランプ氏に対しての最後のアピールともみられている。

 イランはアメリカなど6カ国と合意を結んで経済制裁解除と引き換えに自国の核活動を大幅に削減することに応じ、去年1月から合意を実施し始めた。実施して1年以内に、イラン郊外にある地下工場から核兵器の材料にもなる濃縮ウランを製造する機器を運び出すことになっていたが、合意実施1年目となる16日に国際原子力機関(IAEA)は機器の運び出しが完了し、IAEAの監視下に置かれたとしてイランが合意に従っていると発表した。

 これを受けて、オバマ大統領やイランとの合意交渉に深く関わったケリー国務長官らは個別に声明を出し、イランが合意を守って核活動を大幅削減していると評価し、世界はより平和になったと強調。またオバマ大統領は、合意は、アメリカとイランだけの話し合いではなく、EUやロシアなど多数の国が長い交渉の末まとめたものだとして、暗に合意の継続を訴えた。

 20日に新大統領となるトランプ氏は、イラン合意には懐疑的で、選挙中には合意の解消にも触れていたことから、オバマ政権側の最後のアピールとも受け止められている。

 トランプ氏は、14日に行われた外国メディアとのインタビューで、「今までの中で最もひどい、馬鹿らしい合意だ」と、改めて批判している。しかし、具体的にどう扱うかについては、「今は手の内を見せたくない」と明言を避けている。