金正男氏の息子・ハンソル氏が現地入りか
金正男氏がマレーシアで殺害された事件で、現地の複数のメディアは、現在マカオに住んでいる正男氏の息子・金ハンソル氏が20日夜、マレーシア入りすると報じている。
正男氏の遺体をめぐっては、早期の引き渡しを強く求める北朝鮮と、あくまで「自国のルールに従って対応する」との立場をとるマレーシアとの間で対立が強まっていた。息子のハンソル氏が今後、遺体を引き取ることになるのか。マレーシア政府は、引き渡す相手はあくまで正男氏の親族が優先されるとの立場だ。
遺体を親族に引き渡すには、親族のDNAサンプルの提供を受け、身元の確認をすることが条件だとしている。今回、息子のハンソル氏が現地入りし、手続きが進めば、遺体の引き渡しが一気に進むことも考えられる。
捜査についても北朝鮮とマレーシアの間で隔たりがある。北朝鮮のカン駐マレーシア大使は20日の午後も報道陣の前でマレーシアの捜査や発表を批判した。一方、マレーシアのナジブ首相は「我々の警察や監察医は公平に仕事をしている。我々が北朝鮮に汚名をかぶせる理由はない」などと反発している。
北朝鮮のたび重なる非難にマレーシア側も反応せずにいられなくなっている状況だが、今後、正男氏の遺体が北朝鮮大使館を介さずに親族に引き渡されることになれば、北朝鮮側のさらなる反発も予想される。