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習主席の権威強調 中国全人代が閉幕

2017年3月16日 2:13

 中国の国会にあたる全人代(全国人民代表大会)が15日に閉幕した。指導部が大幅に交代する秋の党大会をひかえ、政権の安定と習近平国家主席の権威が強調された大会となった。

 最終日に行われた政府活動報告や予算案の採択では、去年に比べて反対や棄権票が減り、政権への圧倒的な支持が示された。そして、11日間の日程を締めくくる演説でも、習主席は「党の核心」とたたえられた。

 全人代・張徳江常務委員長「習主席が党・軍すべての民族の威信を高め、核心となったことを誇りに思う」

 また、全人代期間中の地方政府の会議でもこんな場面が。

 遼寧省・李希書記「思想、政治、行動面で、習同志を核心とする党中央と高いレベルで一致させていく」

 習主席の影響力が浸透しているとうかがえる場面を目にした。

 一方で、中国全体の不安定要素となる香港の独立への動きについては、開幕式で李克強首相が初めて香港を名指しし、「香港独立に前途はない」とクギを刺した。

 しかし、閉幕式後の会見では、今後、香港市場を通じて海外投資家の売買が規制されていた中国の債券を開放すると表明。香港市場を活性化させると、首相自らアピールし、硬軟織り交ぜた対応で、抑え込もうする狙いもみられた。

 秋の最高指導部の人事に向け、内外に安定した中国をアピールする習近平指導部。全人代を通じて習主席の権力基盤は、より盤石になっているように見える。