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オランダ総選挙、極右の伸び悩み なぜ?

2017年3月16日 18:14

 極右政党が第一党になるか世界の関心が集まっていたオランダの総選挙は、ルッテ首相率いる与党が勝利し、“オランダのトランプ”と言われるウィルダース党首率いる極右・自由党は伸び悩む結果となった。オランダ・ハーグから亀甲博行記者が中継。

■一時は第一党の勢いだった極右政党が失速したのはなぜなのか?

 こちらでも様々な分析が行われているが、その1つに選挙の直前に起きた「ある出来事」が影響したとの見方がある。それは、いまの政権が国内で政治活動をしようとしたトルコの閣僚の入国を拒否したという出来事。この、自由党のお株を奪うようなイスラム国家への毅然(きぜん)とした態度を受けて、自由党支持者の票が与党に流れたのではとの指摘が出ている。

■ヨーロッパでは今年、重要な国政選挙が控えているが、影響は。

 ヨーロッパでは来月にフランスで大統領選挙、9月にはドイツで連邦議会選挙がある。いずれの国でも極右・ポピュリズム政党の台頭が著しく、このオランダ総選挙の結果がその行方を占う試金石になると受け止められていた。

 今回の結果で極右勢力拡大の流れはオランダでは一定の歯止めがかかったと言える。ただし、自由党の議席自体は増えている。極右政党に対する一定の支持があることが改めて裏付けられたとも言えるわけで、ヨーロッパ全体ではまだ、予断を許さない状況が続くと言える。