ロンドン暴走テロ 4人死亡40人ケガ
イギリス・ロンドンの中心部で22日に起きたテロ事件はこれまでに4人が死亡、40人がケガをしている。現場は観光名所の時計台「ビッグベン」がある国会議事堂の近くで、橋を走ってきた車が歩行者らを次々はねた後、柵に衝突した。運転していた男は議会の敷地内へ侵入し、ナイフで警察官に切りかかり、別の警察官に射たれ死亡した。現場から亀甲博行記者が中継。
事件が起きた橋の前ではまだ規制線が張られている。男の乗った車はビッグベンの方へ向かって人をはね飛ばしながら進んだ。事件発生の瞬間をとらえた映像では、国会議事堂につながるウェストミンスターブリッジの上を多くの車が行き交う中、1台の車が猛スピードで歩道に乗り上げて進んでいく。人影のようなものが橋から川に落ち、しぶきが上がっている様子なども確認できる。
目撃者「普通ではなく、乗り上げたり戻ったりジグザグに運転していた。6人から7人、横たわっていたのを見た」
この事件では橋の上で車にはねられるなどしてこれまでに4人が死亡、40人がケガをした。当時、現場付近には大勢の観光客がいたが、日本人が巻き込まれたとの情報は今のところない。
実行犯の男は1人で、議会の敷地内に侵入した後、警察官に射殺された。
イギリス・メイ首相「民主主義や自由などをテロにより否定しようとする試みは成功しない」
ロンドン警視庁はこれまでのところ、射殺した実行犯の男の身元を明らかにしていないが、身元を特定していることを示唆している。男がイスラム過激主義の影響を受けた可能性があるとしていて男の交友関係などの捜査を進めている。
イギリス政府はテロがイギリスで起きるのは時間の問題だとして、これまでも繰り返し危険性を指摘してきたが、首相官邸にも近いイギリス政治の心臓部が狙われたということで、大きな衝撃が走っている。