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生中継で融和演出 非核化は?拉致問題は?

2018年4月28日 0:07

北朝鮮の金正恩委員長と韓国の文在寅大統領は27日午後、首脳会談を終え、朝鮮半島の非核化を目指す共同宣言を発表した。ソウル郊外のプレスセンターから藤田賢治記者が伝える。

こちらではきょう、両首脳の出会いや握手の映像にどよめきや拍手が起き、高揚感に包まれた。生中継された映像は南北の融和を非常に強く印象づけた。今回主要な行事が生中継されたが、これは韓国政府の提案に北朝鮮が応じたもの。首脳同士の即興のパフォーマンスなどもあり、南北双方にとって融和を強く印象づける成果があった。

ただ、最大の焦点である非核化をめぐっては北朝鮮側から具体的な措置を引き出すことは出来なかった。しかし韓国大統領府の高官は「共同宣言に『完全な非核化』という表現を盛り込めたことに注目してほしい」と自賛している。

また、今回の会談では朝鮮戦争の終結に向け、どのような道筋をつけることが出来るかも焦点の一つだった。板門店宣言は休戦協定を平和協定に切り替え、朝鮮戦争の終戦を年内に宣言することを目指している。この動きが本格化すれば、韓国、北朝鮮、アメリカ、中国という朝鮮戦争を戦った当事者である4カ国の枠組みで対話が進むことになり、日本としても存在感を示す外交が求められることになる。

一方、日本の拉致問題について会談で言及があったかは27日の時点ではまだ確認されていない。