「すべてのアメリカ国民の大統領に」ハリス氏指名受諾 庶民派アピールで“富豪トランプ”に対抗
アメリカ大統領選挙に向けた民主党大会最終日。ハリス副大統領が熱狂の中、指名受諾演説に臨みました。有権者に庶民派を打ち出しているハリス氏ですが、23日の演説でも大富豪、トランプ氏との違いをアピールしました。
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アメリカ・シカゴ、日本時間23日午前。主役の登場を前に、会場は熱狂の渦に包まれていました。
「カマラ・ハリス!」
この日も自身がテーマ曲とするビヨンセさんの「フリーダム」と共に登場したカマラ・ハリス副大統領。
民主党大統領候補 カマラ・ハリス氏
「こんばんは」
会場からは熱い「カマラ」コールが沸き起こります。
カマラ・ハリス氏
「ありがとう、ありがとう」
歓声は2分以上たっても収まらず…
カマラ・ハリス氏
「ありがとう。では始めましょう」
ようやく始まった演説。まず語ったのは…
カマラ・ハリス氏
「結婚記念日おめでとう、ダギー」
この日、結婚10周年を迎えた夫への感謝。そして…
カマラ・ハリス氏
「アメリカ合衆国大統領への指名を受諾します。今回の選挙で我が国は貴重な機会を得た。新たな道を切り開く機会だ」
分断ではなく、「すべてのアメリカ国民の大統領になる」と呼びかけました。
その会場では…
橋本雅之記者
「白い服を着た代議員が目立ちます」
白はアメリカにおける女性の政治参加運動を象徴する色。初の女性大統領誕生への期待も高まっています。
最新の世論調査では、わずかにトランプ氏をリードするハリス氏。演説で強調したのはトランプ氏との違いでした。
カマラ・ハリス氏
「トランプは中間層のために闘わない。彼自身と億万長者の友達のために闘っている。トランプは増税するが、私たちは1億人以上の中間層のための減税を実現する」
さらに…
カマラ・ハリス氏
「トランプを応援する金正恩のような、独裁者にすり寄ることはない」
北朝鮮の金正恩総書記と会談を繰り返したのは、トランプ氏自身が“独裁者になりたい”からだと批判しました。
また、自身の生い立ちについても時間をかけて語り、“庶民派”な面をアピールしました。
カマラ・ハリス氏
「母はほぼ1人で私たちを育ててくれた。家を買う余裕ができるまでは小さなアパートに住んでいた」
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幼い頃にハリス氏が通っていたカリフォルニア州バークリーにある「サウザンド・オークス小学校」では…
岡田光弘記者
「壁画の真ん中に描かれているのがハリス副大統領ですね」」
5年前に造られた壁画には、歴史を変えた女性たちとともにハリス氏の姿がありました。
55年来の友人バティストさんは、ハリス氏の人柄をこう語ります。
ハリス氏の長年の友人 ステイシー・バティストさん
「私の息子が演劇に出演するとき、彼女は(上院議員として)すごく多忙だったのに『見に行く』といって、本当に来たんです」
そして、大学時代には意外な経歴も。
民主党大統領候補 カマラ・ハリス氏
「学生の時はマクドナルドで働いていました」
マクドナルドでのバイト。アメリカでは、実に8人に1人が働いたことがあるといい、当選すれば初の「マックバイト出身」の大統領となります。
副大統領候補のウォルズ氏は…
民主党副大統領候補 ウォルズ氏(8月13日)
「ドナルド・トランプが、マックフルーリーを作る姿が目に浮かぶか?」
富豪であるトランプ氏を庶民派のハリス氏と比べて揶揄(やゆ)しました。
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次は、ハリス氏とトランプ氏が初めて直接対決する9月の討論会が注目されます。