アメリカ・トランプ政権の今後を占う中間選挙が、いよいよ来週６日に迫っている。野党・民主党は、トランプ政権に反発が強い「若者層」の支持を背景に攻勢を強めている。

◆オバマ前大統領も“若者に投票呼びかけ”

先週、ネバダ州ラスベガスには、オバマ前大統領の姿があった。

オバマ前大統領「若者世代が今後のアメリカの５０、６０、７０年間の方向性を決める世代なのに、多くが投票に行っていない」

民主党候補の応援に訪れたオバマ前大統領は、これまでの選挙で投票率が低かった若者に、投票を呼びかけた。

オバマ前大統領「文句はやめよう。投票をしよう。文句は何も生まない。投票をしないと何も変わらない」

◆民主党“過半数奪還”のカギは若者の投票？

日本の国会議員にあたる連邦議会議員を選ぶ、中間選挙。現在、トランプ大統領率いる与党・共和党が上院、下院ともに過半数を占めている。

焦点は、野党・民主党が下院で過半数を奪還できるか。民主党は、そのカギとなるのが「若者」の投票とみて、取り込みに力を入れている。

先月中旬、ニューヨークでは、中間選挙で投票するために必要な有権者登録を呼びかける活動が行われていた。この日は、登録の締め切り日。同世代の投票を増やそうと２０歳前後の若者たちが登録を促していた。

今回、若者の有権者登録数が伸びているのが特徴で、特に都市部を中心に民主党の票につながるとみられている。

参加者「前回は期日を忘れて投票できなかったので、登録期日の大事さを伝えたくて参加しました」

参加者「私は１６歳で投票権はありませんが、今の政治状況を考えると、有色人種や若者が有権者登録を行うことが大事だと思います」

◆若者の政治活動参加に広がり

若者の政治活動への参加は広がりを見せている。この日、集まってきた民主党支持者の中に、地元の大学生の姿があった。カーリー・シューマンさんは、投票を呼びかける戸別訪問に初めて参加した。

カーリー・シューマンさん「トランプ大統領は、人種差別、女性蔑視だと感じます。トランプ大統領になったことが、戸別訪問に参加した理由の１つです」

受け持ったリストに沿って選挙区の家を１軒１軒まわるが、いきなり、洗礼を浴びる。

カーリー・シューマンさん「カーリーと申します。選挙キャンペーンで家をまわっています」

家の人「ここには来る必要ないわ」

中には共和党を支持する人の家もあり、なかなか話さえ聞いてもらえない。開始から１時間、ようやく、チャンスが訪れた。

カーリー・シューマンさん「私は（民主党候補者が掲げる）公立大学の学費無料を支持しています。家の庭に候補者を応援する看板を立ててくれませんか？」

地元の人「それはお断りするわ。まだ、どちらに投票するか迷っているのよ」

この日、話ができた１０軒のうち３軒で、民主党支持を取りつけた手応えを感じたという。

カーリー・シューマンさん「投票の権利を与えられたら、しっかり行使すべきです。自分の生活に影響が出るので、世の中のことに関心を持つべきです」

投票まで４日。若者たちの動きは、票へとつながりトランプ政権を追い込むことになるのだろうか。