ロシア側、“掌握”南部ヘルソン州一部で自国通貨「ルーブル」使用開始の方針
ウクライナの東部などで激しい戦闘が続く中、ロシア側は、掌握した南部ヘルソン州の一部で来月から自国の通貨「ルーブル」の使用を始める方針を打ち出すなど、支配権の確立を急いでいます。
南東部のマリウポリは、プーチン大統領が制圧を宣言しましたが、激しい戦闘が続いています。製鉄所で抵抗を続けるウクライナ側の部隊は28日、野戦病院とする映像を公開し、「ロシア軍の爆撃で手術室が崩壊し、けがした兵士を助けることができなくなった」などと訴えました。
こうした中、ウクライナを訪問している国連のグテーレス事務総長がゼレンスキー大統領と会談しました。事務総長は、マリウポリからの民間人の避難に国連などが関与することにプーチン大統領が原則同意したことを強調した上で、「実現に向け活発な議論が行われている」と述べました。
一方、ロシア国営メディアは、ロシア軍が占拠している南部のヘルソン州の一部で、来月1日からロシアの通貨ルーブルの使用が始まると報じました。東部やクリミアなどと一体の経済圏を作るのが狙いだとしています。
モスクワの赤の広場では28日深夜、5月9日の「戦勝記念日」に開催されるパレードのリハーサルが行われました。クレムリンも見える場所にあるファッションビルの前には、ミサイルがずらりと並んでいました。
プーチン大統領は、戦勝記念日に向け占領地域での実効支配をアピールしていくとみられます。