アゼルバイジャン大統領が勝利宣言「主権を回復」 アルメニアとの係争地・ナゴルノカラバフの軍事行動で停戦成立を受け
旧ソ連・アゼルバイジャンのアリエフ大統領は20日、隣国アルメニアとの係争地、ナゴルノカラバフの軍事行動で停戦が成立したことを受け、「主権を回復した」と勝利を宣言しました。
ナゴルノカラバフは旧ソ連のアゼルバイジャン領内にありますが、アルメニア系住民が多く住み、過去30年間にわたって紛争が続いてきました。
アゼルバイジャン国防省が19日、「対テロ作戦」と称して軍事行動を開始し、翌20日、ロシアの仲介でナゴルノカラバフ当局との間で停戦が成立しました。武装解除と、アルメニア軍の撤退で合意したとしています。
アゼルバイジャンのアリエフ大統領は20日にテレビで演説し、「アゼルバイジャンはカラバフにおけるすべての任務を一日で遂行し、主権を回復した」と勝利を宣言しました。
一方のアルメニア・パシニャン首相は20日、仲介役のロシア・プーチン大統領と電話会談し、プーチン大統領は、アゼルバイジャンとナゴルノカラバフ当局による今後の交渉について、ロシア平和維持部隊の仲介で行われると述べて歓迎しました。
しかし、ロイター通信によりますと、アルメニアの首都エレバンではこの停戦に抗議する市民が集まり、現地を支援しなかったアルメニア政府を糾弾する動きが出るなど、予断を許さない状況が続いています。