中国軍が19日、台湾周辺で軍事演習を行ったことについて、来年に総統選挙を控えている台湾側は「恐怖によって選挙に介入する手法だ」などと非難しました。

中国軍は19日、台湾周辺で軍事演習を行ったとして、映像を公開しました。台湾の副総統で、来年1月の総統選挙に立候補する頼清徳氏が、南米訪問の経由地として、アメリカに立ち寄ったことへの対抗措置とみられています。

台湾国防部は、日本時間午前10時以降に中国軍の戦闘機や輸送機などのべ42機の活動を確認し、そのうち、のべ26機が台湾海峡の中間線を越えて侵入したと発表しました。

台湾総統府の報道官はSNSで「総統や副総統の外遊は長年行われており、中国が言いがかりをつける口実となるはずがない」「中国の最近の行いは、恐怖を作り出して選挙に介入する手法を感じさせる」と投稿し、中国側を強く非難しました。

また、呉釗燮外交部長はSNSで、総統選挙の行く末は「隣のいじめっ子ではなく、われわれの市民が決める」とした上で、民主的な選挙が困難な中国を念頭に「中国こそ選挙を実施すべきだ。人々は大喜びするだろう」と揶揄しました。