“国家の団結呼びかけ”に演説内容を変更か トランプ氏、党大会出席へ現地入り
世界に衝撃を与えた暗殺未遂事件から一夜が明けました。アメリカのトランプ前大統領は、共和党大会が開かれるウィスコンシン州に到着しました。共和党大会の会場から中継です。
16日から始まる共和党大会で、トランプ氏が大統領候補に正式に指名されることになります。会場には、ネバダ州、カリフォルニア州、ジョージア州などと書かれていますが、16日、この会場に全米50州などの代議員が集まり、トランプ氏を正式に大統領候補に承認するための投票を行います。最終日には、トランプ氏が指名受諾の演説を行う予定です。
――トランプ氏は現在、どうしているのでしょうか
トランプ氏は、すでにウィスコンシン州に到着しています。アメリカメディアは側近らの情報として、トランプ氏は「非常に元気」で体調は良好だと伝えています。
事件を受けてアメリカメディアは、「政治的な分断が暴力につながる懸念に拍車がかかる可能性がある」と指摘しています。こうした懸念を受け、バイデン大統領が日本時間15日朝、演説しました。
アメリカ バイデン大統領「アメリカの民主主義で意見の相違は避けられない。政治は決して戦場や殺りくの場であってはならない」
大統領は国民に向け、政治的意見の相違が「暴力に発展してはならない」と重ねて訴えました。
――会場の警備態勢は、どうでしょうか
今回の銃撃については、「歴史的な警備上の失敗だ」などと警備態勢の不備に対する批判も高まっています。
バイデン大統領は独立した調査を行うことや、共和党大会の全ての警備を見直すことなどを指示しました。
また、トランプ氏はこれまでの演説では、繰り返し対抗馬であるバイデン氏を痛烈に批判してきたのですが、今回の事件を受け、国民に団結を呼びかける内容になる見通しです。
アメリカメディアは銃撃事件を受けて、トランプ氏が演説内容を全て書き直していると報じました。
政治的分断が進む中、国民に対し国家の団結を訴えるとしていて、トランプ氏が「この歴史的瞬間を生かし、国を1つにまとめたい」と話していると伝えています。
アメリカメディアによると、共和党大会には5万人以上が集まることが見込まれていて、カメラなどの機材を持ち込むためには警察犬と金属探知機でダブルチェックを受ける必要があるなど、かなり厳重な警備態勢が取られています。