韓国「非常戒厳」宣言、一転解除 与野党が尹大統領の対応批判
韓国の尹錫悦大統領は3日夜、「国政がマヒ状態にある」として、44年ぶりとなる「非常戒厳」を宣言しました。これに対し、韓国の国会が戒厳の解除を求め、一転して、4日朝になり解除が正式に決まりました。
尹大統領は3日夜、野党が政府高官らへの弾劾訴追を進めていることなどを挙げ、「体制の転覆を企てている」と指摘し、44年ぶりとなる「非常戒厳」を宣言しました。
非常戒厳に反対する大勢の人々が集まった韓国国会では、軍の部隊が突入しました。非常戒厳を受け発足した「戒厳司令部」の部隊とみられます。戒厳司令部は国会や政党などの一切の政治活動を禁止し、メディアと出版は戒厳司令部の統制を受けると発表しました。
しかし、韓国の国会は4日未明、非常戒厳の解除を求める決議案を可決し、国会議長は「戒厳が無効になった」と発表しました。
韓国の憲法では、「国会に在籍する過半数の賛成で戒厳の解除を要求した場合は、大統領はこれを解除しなければならない」と定められています。
尹大統領はこれを受け、「国会の要求を受け入れる」と明らかにし、その後に開かれた臨時の閣議で、戒厳の解除が正式に決まりました。
市民生活への大きな影響は避けられたかたちですが、与野党ともに今回の尹大統領の対応を批判していて、今後も混乱はしばらく続きそうです。