台湾で頼新総統が就任 今後の対中関係は?
台湾では20日、与党・民進党の頼清徳氏が総統に就任しました。こうした中、台湾が実効支配する中国との最前線の島では、中国による挑発が相次いでいます。台湾で取材にあたっている渡辺容代記者に聞きます。
――新たに就任した頼清徳総統は、中国とどう付き合うのでしょうか。
演説では、中国と対等な立場で対話するという姿勢を強調しました。その上で、現在停止している中国からの観光客の受け入れや、留学生の派遣を再開したい考えを示しました。
一方で、警戒感もあらわにしています。「中国が台湾を併合しようとするたくらみは、なくならないだろう」と述べたほか、中国に、台湾に対する「揺さぶりや軍事的威嚇をやめるよう求める」と警告しました。
――新政権の下で中国との緊張はさらに高まりそうですか?
中国がさらに圧力を強める展開も予想されます。
中国外務省はさきほど「台湾独立は袋小路であり、どんな名目や旗印で台湾の独立や分裂を推し進めても、失敗する運命にある」と不快感をあらわにしました。
また、足元にも不安を抱えています。
台湾の議会にあたる立法院では、与党・民進党の議席は過半数に達しておらず、先週には、法案の採決をめぐり、与野党の議員が衝突、けが人が出る事態になりました。今後、中国がこうした議会の混乱などを利用し、世論工作を行う可能性もあります。
頼政権はその船出から、中国の圧力と対峙していく展開になりそうです。