SDGs「陸の豊かさも守ろう」何できる?
国連が定めるSDGs(持続可能な開発目標)の17項目に関連する知っておきたいデータや情報をひもとくコーナー。今回は17項目のうち、15番目の「陸の豊かさも守ろう」にまつわるデータ。宇宙ビジネスを展開するアクセルスペースの中村友哉代表に話を聞く。
今回取り上げたいのが「世界で失われている緑、1分あたり東京ドーム約4.9個分」というデータ。国連によると毎年、干ばつと砂漠化によって1200万ヘクタール、1分間に23ヘクタールの土地が失われている。
――中村さん、この数字について、いかがお考えですか?
これは本当に驚くべき数字だというふうに思っています。実際に、こうやってデータで世界の緑が失われているというのは明らかなんですが、我々、なかなか普段の起きている現象としては感じないですよね。なので、それが本当に起きてるんだろうかと懐疑的にとらえる人も出てきてしまってるんですね。
これが目先のことばかりにとらわれてしまって、世界が本当に持続的なのかということを考えないということにつながってしまっていると思っています。
我々は、数十機の人工衛星を上げて、世界中をくまなく毎日見られるような新しいインフラを作ろうとしています。これがあれば、視覚的に客観的にこうやって緑が減っているんだということを見ることができます。
これを、世界の人たちにわかってもらって、我々1人1人が今すぐ行動していかなければ、世界が持続的ではないんだということがわかってもらえるんじゃないかなと思っています。
そういう啓発活動みたいなところにも、我々の技術が生かせたらいいなと思っています。
――中村さんのその技術、視覚的に緑を見るというのは具体的にどんな感じなんですか。
例えば、アマゾンなんかを見ていると、本当に毎日毎日を削られるエリアが広がっているというのがわかるんですが、これはやはり非常にショッキングです。ですので、それを見てもらって1人1人が実際にこういうことが起きてるんだということを感じる“自分ごと”としてとらえることが、まず大事かなと思います。
――衛星から撮られた写真・映像で緑が失われていくのが視覚的にわかると、危機感もすごく高まりますね。
それが非常に重要であって、世界中で暮らす人々のうちのほんの一握りの人が頑張ってもやはり、この傾向は変わらないと思います。私たち1人1人がその認識を持って、日々の中でどうやったらこの緑を守れるだろうかということを考える。それが大事だと思っています。
【the SOCIAL SDGsより】