ＡＳＥＡＮ（＝東南アジア諸国連合）の首脳会議に合わせ、タイを訪問している安倍首相と韓国の文在寅大統領は、３日夜に行われた夕食会で握手を交わした。

日韓の両首脳が直接接触したのは、６月に行われたＧ２０大阪サミット以来、初めてのこと。ただ、今回のＡＳＥＡＮでは、正式な日韓の首脳会談は調整すら行われていない。

安倍首相は、文大統領の到着からおよそ４０分遅れて会場入りした。安倍首相は、先に並んでいた文大統領夫妻の隣に並び、短時間だが、笑顔で握手を交わした。

ただ、その後、両首脳が言葉を交わしたり、目を合わせたりする様子は見られなかった。

先月、韓国の李洛淵首相が訪日した際、文大統領は親書で安倍首相に対して首脳会談への希望を伝えている。しかし、日本側は、元徴用工をめぐる問題で、まずは韓国側が有効な対応策を示すべきだとして、隔たりは埋まらないままだ。

４日も東アジアサミットなど少なくとも４回、安倍首相と文大統領が同席する機会がある。

今月中旬にチリで予定されていた国際会議が中止になり、今回は、両首脳が今月顔を合わせる唯一の機会。

複雑にこじれた日韓の懸案を解く糸口を見いだせるのか、参加した各国も両首脳の動向に注目している。