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日本が支援“住民の声が届く難民キャンプ”

2019年11月14日 15:52
日本が支援“住民の声が届く難民キャンプ”

知っておきたいデータや情報をひもとく「input」。今回は「住民の声が届く難民キャンプ」。

今回伝えるのは、難民キャンプでの「声が届く」コミュニティー作り。こちらの画面にある滑り台や車いす用のスロープ、実は住民の声によって整備されたもの。この夏、私が訪れたのは、パレスチナ自治区のヨルダン川西岸地区の都市「エリコ」にある難民キャンプ。約70年前につくられ、イスラエル建国と紛争によって故郷を追われた人々と子孫、約8000人が暮らしている。

しかし、難民キャンプのため、インフラの整備や女性や障害者への支援などが不十分という現状があった。さらに、自治に関われるのも、一部の政治色の強い人のみに限られていた。

そこに変化をもたらしたのが、日本のJICA支援のもとで2017年から始まった住民参加型の「キャンプ改善フォーラム」。参加するのは、これまで声があげられなかった女性、高齢者、障害者などで、グループごとに課題を洗い出し、その後、解決方法を全体で議論する。

その住民の「生の声」によって、滑り台や車いす用のスロープが設置された。参加した1人、ダウン症の息子がいるジャワーハルさんは、「今は責任を持って障害のある人の声を伝えている」と話していた。また、別の女性は「自分の存在を見つめ直せて、コミュニティーの一員として、環境の改善に携われることがうれしい」と誇りをもって話してくれた。


――朴さん、この取り組みいかがでしょうか。

とても素晴らしいことですよね。やっぱり日本がこのように、難民とか世界の問題に積極的に関わっていること、支援していることはとてもいいことだと思いますね。今、日韓関係、非常に厳しい状況・側面ですけれども、日韓関係の政治家の方々がJICAの活動をちょっと見習ってほしいなというふうに思っていて、お互いに支えなければいけないという関係・友達だという認識の上でもっと素直になって、日韓関係の問題に関して議論し合うような姿勢で問題の解決に向き合ってほしいと思います。


――まさにですね、今回、JICAがしているのは建設的な議論を行う場を提供するということで、そこの中で皆さんが自ら考えて行動する「スキルやノウハウ」っていうのを学んでいるんです。まさにそうした「知の支援」というのが大切なんではないかなと感じました。


■朴鍾暁氏プロフィル
無料で学べる韓国語アプリ「できちゃった韓国語」を開発・運営。音声認識機能で正しい発音の勉強が可能。K-POPや韓流ドラマなど多彩なコンテンツがあり、韓国についての知識も学べる。ソウル出身の朴氏。大学院卒業後、2012年に来日。語学学校やYouTubeで韓国語の講師をつとめてきた。また東京に住む韓国人コミュニティーの運営も行っている。日本と韓国が互いを尊重し理解しあうことを目指している。


【the SOCIAL inputより】