“日本人監禁”も…ミャンマー国境の犯罪組織拠点「KKパーク」 4年前は更地も…
ミャンマーの国境地帯で日本人を含む多くの外国人が監禁されている問題で、中国系犯罪組織の拠点となっている「KKパーク」。その「KKパーク」とは、一体どのような場所なのでしょうか?
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静かな町並みに、姿を見せる“軍用車”。ミャンマーとタイの国境地帯に位置する中国系犯罪組織の拠点「KKパーク」で、ミャンマーの少数民族武装勢力である「国境警備隊」などが“一斉捜索”を開始しました。
富永大介記者
「かなりの数ですね、100人以上はいると思います。多くの監禁されていたとみられる人たちが、車の後ろに乗り込んでいきます」
監禁されている外国人の解放を進めています。
中国系犯罪組織の拠点は、ミャンマー国境地帯に複数存在し、詐欺行為に加担させられているとみられる外国人は、日本人を含めて1万人以上。これまでに約7000人が解放されたといいますが、その“全貌”はいまだわかっていません。
犯罪拠点の1つ「KKパーク」とは、どのような場所なのか。上空からみると、見えてきたのは何棟も連なる赤い屋根の建物。アパートのような造りで、細かく部屋が分かれているように見えます。ベランダには多くの洗濯物。何十、何百という人たちがここで生活をしながら“犯罪行為”を強いられていたのでしょうか。
地元メディアによると、この場所はもともと紛争地域で、開発が進んだのは2020年ごろのこと。2021年はまだほとんどが更地の状態でしたが、急速に発展を遂げ、4年ほどで“1つの街”ができあがっていました。「KKパーク」とは、この区域一帯を指す名称だといいます。
では、どのようにして“犯罪の街”となったのか。専門家によると、当初、「KKパーク」では工場やカジノ、国際空港などの大規模な経済開発が計画されていたといいますが…
京都大学東南アジア地域研究研究所 中西嘉宏准教授
「この地域に投資を募っていたグループは、怪しいマフィアに近い人たち。紛争地域で、ミャンマー政府の統治がきかない自分たちの国際犯罪の拠点として発展させようという意図が、そもそもあったんだろうという気がします」
東南アジアの他の国での摘発を逃れ、流れ込んだとみられる“犯罪組織”。元締めは大きく2つ。カンボジア国籍の中国系マフィアと、香港を拠点とする中国人マフィアだということです。
今回の捜索で“犯罪拠点”は、どうなるのか?
京都大学東南アジア地域研究研究所 中西嘉宏准教授
「今回大きな摘発があったからといって、このまま収まっていくとは思えない。別の場所に拠点を移すか、この場所でほとぼりが冷めたころにまた復活する可能性は十分にある」
解放された約7000人に、日本人の情報は現時点で確認できていません。タイメディアによると、解放された中国人約900人について、27日にもタイ側への引き渡しが始まるということです。