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「誰も止めることができない」イスラエル側 ガザ地上作戦は“次の段階”へ 数千人避難の学校も標的 ヒズボラはハマス支持「完璧で正当な戦い」

2023年11月4日 12:08
「誰も止めることができない」イスラエル側 ガザ地上作戦は“次の段階”へ 数千人避難の学校も標的 ヒズボラはハマス支持「完璧で正当な戦い」

ガザ地区への地上作戦で、イスラエル側は「次の段階に入った」と発表しました。避難先の学校も攻撃しています。イスラム教シーア派組織「ヒズボラ」はイスラム組織「ハマス」への支持を表明しました。ハマスに妻子らを人質に取られた人に取材しました。

■北部の国境は「非常に警戒態勢」

3 日夜、自衛隊の輸送機が羽田空港に到着しました。乗っているのは、イスラエルから避難してきた日本人ら46人です。自衛隊機による日本人らの退避は、これで 2 度目となりました。

イスラエル軍は、北部の国境が「非常に警戒態勢にある」と発表しています。イスラエル北部の町は2日、イスラム組織「ハマス」に狙われ、テラスがあるカフェの周りが炎で囲まれました。AP通信はハマス側の主張として、ハマスがレバノンから砲撃を行ったと伝えています。

■国連機関が運営する避難所にも攻撃が

イスラエル軍はSNSで3日、ガザ地区への地上作戦の様子とされる映像を公開しました。「ガザ市の包囲を完了した」として、地上部隊がハマスの拠点を攻撃していると明らかにしました。作戦は「次の段階に入った」と発表しています。

イスラエルのネタニヤフ首相は2日、「我々のことを誰も止めることはできない」と述べました。イスラエル軍の攻撃は、難民キャンプや、国連機関が運営する避難所にも及んでいます。

■ガザ地区の当局「死者は9227人」

国連機関が運営する避難所では2日、子どもが「僕たちは何もしてないのに!神様!」と泣き叫んでいました。

避難所となっていた学校の校庭に、発煙筒が落下。その瞬間を捉えたとされる映像では、撮影者は「イスラエル軍が学校を標的にしている」と言い、口と鼻を押さえながらその場から退避。爆発音が何度も聞こえました。

この学校には数千人が避難していました。運営する国連機関によると、少なくとも20人が死亡しました。ガザ地区の保健当局は3日、死者が9227人に上り、そのうちの3826人が子どもだと伝えています。

■ハマスの人質に…「早く帰ってきて」

イスラエル軍はこうした攻撃を行う理由の1つに、「人質の奪還」を掲げています。イスラエル・テルアビブ郊外で取材したジヒリさんも、人質の奪還を強く願う1人です。

ジヒリさんは「これは(息子の)オハドのものです」と、服を見せてくれました。人質に取られたのは、まだ9歳の息子オハドくんと、妻のケレンさんです。2人はガザ地区の近くにある親戚の家を訪れていた時に、ハマスの襲撃を受けました。

襲撃直前に妻から送られてきたというメッセージには、「テロリストが町に侵入してこないか不安。トイレに行く時以外はシェルターにいる。玄関のドアには鍵をかけた。オハドは今テレビを見てる」とありました。これを最後に、連絡は途絶えました。

ジヒリさんが2人を探しに行くと、そこには破壊され、黒焦げになった親戚の家がありました。「ここがシャワー室で、トイレはこっちだな。ここにシャワー室があった。もう何も残っていないよ」

その後、携帯のGPS情報から、祖父母とともにガザ地区で人質になっていることが分かったということです。ジヒリさんは「早く家に帰ってきてほしい。願いはただそれだけです」と言います。

■ヒズボラ指導者「人質解放へ交渉を」

3日夜、イスラエルがハマスと同様に敵対するイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」の指導者が演説を行いました。

「今ハマスがしている戦いほど、人道的・道徳的・宗教的で完璧で正当な戦いはありません」。今回のイスラエルとハマスの衝突の発端となった、ハマスの攻撃を支持しました。

またロイター通信は、ヒズボラの指導者が「人質の解放のためにはイスラエルがハマスと交渉する必要がある」と発言したと伝えています。

(11月3日『news zero』より)