ウクライナ東部のドネツク州で8日、数千人が集まっていたとみられる駅にミサイルが着弾し、50人以上が死亡しました。

（※遺体が映っている映像を加工しています）

地元当局によりますと、ウクライナ東部ドネツク州のクラマトルスクで8日、ロシア軍の攻撃を避け、他の地方に避難しようと数千人が集まっていたとみられる駅にミサイル2発が着弾しました。これまでに子ども5人を含む少なくとも52人が死亡したということです。

アメリカ国防総省の高官は、ロシア軍が旧ソ連製の短距離弾道ミサイル＝SS21を使ったとの分析を明らかにしていますが、ロシア国防省は攻撃を否定しています。また、国防総省の高官は「ロシア軍が予備役6万人以上を動員しようとする兆候がある」とも指摘しています。

一方、ロシア軍によって民間人が虐殺されたとされる首都キーウ近郊のブチャでは、埋められていた遺体を掘り起こし身元を確認する作業が始まっています。

8日にはEU（＝ヨーロッパ連合）の首脳がブチャを視察し、凄惨（せいさん）な現場を目にしたフォンデアライエン委員長が言葉を失う場面もありました。

EU・フォンデアライエン委員長「想像を絶することがこの場所で起きた。我々はプーチン大統領の軍の残酷さを目の当たりにした」

ウクライナ側によりますと、ブチャを含むキーウ州ではこれまでに650人の遺体が見つかっていますが、被害の全容はいまだ分かっていません。

フォンデアライエン委員長はその後ゼレンスキー大統領と会談し、ウクライナが強く求めるEU加盟の申請手続きを迅速に行うことを約束しました。