ウクライナ“激戦地”ルハンシク州知事「民間人が殺されている…ロシア軍は地獄の悪魔だ」
ウクライナ南東部マリウポリはロシア軍の包囲後、これまで約5000人が死亡したと伝えられています。単独取材に激戦地ルハンシク(ルガンスク)州の知事が応じ、「民間人が殺されている。ロシア軍がブチャと同じことをしている。地獄の悪魔だ」と訴えました。
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ロシア軍が包囲するウクライナ南東部マリウポリは、これまでに約5000人が死亡したと伝えられています。自身も、自宅を爆撃されたというマリウポリの住民は、「誰も遺体を回収しなかった。遺体だらけです。恐ろしい」と話していました。
激しい攻撃が続くウクライナ東部のひとつ、ルハンシク州の知事が「news zero」の単独取材に応じ、「このままでは街がなくなる」と訴えました。
ウクライナ東部・ルハンシク州 セルギー・ガイダイ知事
「(ロシア軍は)すべての建物を地上から消し去ろうとしている。こちらでも残虐な行いが起きていて、ロシア軍が(ブチャと)同じことをしている」
ロシア軍はウクライナ首都キーウ(キエフ)周辺から完全撤退しつつある一方で、ルハンシク州を含む東部や南部では戦闘が続いています。
――今、どのような環境にいますか?
セルギー知事
「大変な状況にいます。ロシア側は何でも攻撃する。どこに命中しようが、彼らはどうでもいいのです。学校、幼稚園、児童養護施設、子ども病院、すべて攻撃されました。老人ホームで暮らしていた84人のうち、56人が(戦車の砲撃で)亡くなりました」
6日、セルギー知事が公開した写真には、砲撃を受けて崩れ落ちた建物が写っていました。市民1人が死亡、7人ががれきの下敷きになったといいます。日本時間6日午後9時ごろにも、セルギー知事はSNSを通じて「ロシア軍の砲撃でビル9棟が燃えている」と発信しました。そしてここでも、「市民の虐殺が行われている」と訴えました。
――最も怖いことは何ですか?
セルギー知事
「民間人が殺されていることです。ロシア軍はウクライナ軍と戦っているのではなく、国民全員と戦っているのです。脚と腕が片方ずつない障害者のボランティアの方がいました。彼は車いすに乗っているにもかかわらず、たくさん人助けをしていたんです。ロシア軍が家に侵入してきて、彼は銃殺された。このような例が多いです。残念ながら、ブチャと同じような街がこれからたくさん増えます」
ルハンシク州には、親ロシア派の住民やロシア人も多く暮らしていますが、区別なく攻撃を受けているといいます。セルギー知事はSNSでほぼ毎日、「早く脱出してください!」と避難を呼びかけています。
セルギー知事
「毎日1000人以上、ウクライナの西部側に避難させています」
――避難中に攻撃は?
セルギー知事
「頻繁にです。毎日、攻撃されています。避難者を運んでいるバスも攻撃を受けることがあります」
実際に、避難途中に攻撃を受けたバスには、窓ガラスはありませんでした。
セルギー知事は最後に、「いま支援がとても大切です。彼ら(ロシア)を止めなければなりません。本当に恐ろしいです。地獄の悪魔です」と訴えました。
(4月6日放送『news zero』より)