首都含むキーウ州全域、ロシア軍から「解放」 ゼレンスキー大統領「東部は極めて困難…ロシア軍は新たな攻撃を準備」
ウクライナの国防副大臣は2日、首都キーウを含むキーウ州全域をロシア軍から「解放した」と明らかにしました。一方で、ウクライナ東部ではさらなる戦闘の激化が懸念されています。
先月31日に撮影された首都キーウ近郊の国際空港の衛星画像を10日前と比較すると、軍用車両などがなくなっていて、ロシア軍が撤退したとみられています。
ウクライナの国防副大臣は2日、フェイスブックの投稿で、首都キーウを含むキーウ州全域をロシア軍から「解放した」と明らかにしました。
ウクライナ軍が奪還した地域では人道支援も進んでいます。激戦地となっていたキーウ近郊のイルピンには1日、ICRC(=赤十字国際委員会)が支援に入りました。多くの建物が破壊され、がれきの中で医療スタッフがケガ人の治療をしています。
赤十字国際委員会によりますと、街から避難できなかった高齢者など3500人が水不足などに苦しんでいるということです。
一方、ロシア軍は今後ウクライナ東部の支配に力を入れるとみられています。
ゼレンスキー大統領は新たな攻撃への警戒感を示しました。
ゼレンスキー大統領「東部の状況は極めて困難だ。彼ら(ロシア軍)は新たな攻撃を準備しており、我々はこれまで以上に備えている」
壊滅的な被害が出ている南東部のマリウポリでは、十数万人が取り残されているとみられますが、町はロシア軍に包囲されていて、人道支援も難しい状況が続いています。赤十字国際委員会の支援チームもマリウポリ入りを試みていますが、1日は安全が確保できずに断念しました。2日にも再び試みたとみられますが、実際に入れたかなど詳しいことは明らかにされていません。
ウクライナの副首相によりますと、マリウポリからは人道回廊を通じて住民が脱出を続けていますが、避難用のバスが到着できないケースもあり、思うように進んでいないのが現状です。