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“課題山積”パリ五輪 相次ぐテロに爆破予告…セーヌ川での開会式は大丈夫?「プランB」検討

2024年1月1日 11:00
“課題山積”パリ五輪 相次ぐテロに爆破予告…セーヌ川での開会式は大丈夫?「プランB」検討
パリ五輪 開会式イメージ(Paris 2024)

2024年に開幕するパリオリンピック。注目は、フランスが威信をかける「セーヌ川での開会式」だ。史上初のスタジアム以外での式典となるが、相次ぐテロなどを受けて、安全面を不安視する声が高まっている。こうした中、フランス政府は警備を強化するため、軍の動員を決定。さらに、ここにきてマクロン大統領は、開会式を別の場所で行う「プランBがある」と発言。果たして“平和の祭典”の行方は…。

■五輪史上初 フランスが威信をかける「開会式」

24年7月26日に開幕する、100年ぶり、3度目となるパリオリンピック。新型コロナウイルスの感染拡大が終息し、2大会ぶりに全面的に観客を入れて開催されることになる。

スローガンは「広く開かれた大会」。その象徴の1つが、パリ中心部を流れるセーヌ川での開会式だ。選手らは船で川を約6キロにわたって航行し、エッフェル塔付近でセレモニーを行う。河岸や橋に無料でパレードを見ることができるエリアも設けられ、約60万人の観客が見込まれている。

最大の課題は「警備」だ。開会式では、4万人以上の警察官と憲兵が配備される。さらに、大会期間中は民間警備員約2万人が必要とされているが、大会関係者は23年11月23日、確保できたのは6000人程度にとどまっていると発言している。大会組織委員会のエスタンゲ会長は「安全面は万全だ」と自信を示すが、パリでは観光客を狙ったスリなどの犯罪が多いだけでなく、テロに対する不安も拭いきれない。

フランスは、ヨーロッパで最も多い約45万人のユダヤ人が暮らしているといわれていて、イスラエル・パレスチナ情勢を受け、テロ警戒レベルが最高に引き上げられている。しかし、ルーブル美術館やベルサイユ宮殿、空港などへの爆破予告のほか、開会式が行われるエッフェル塔付近では23年12月に、男が観光客を刺殺する事件が起きるなど、イスラム過激派によるテロが相次いで発生。治安の悪化が目立っている。

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■セーヌ川での開会式「プランB必要」