周庭さん 近く指名手配へ 香港警察「逃げられると思うな、一生追跡する」
カナダに事実上の亡命をした民主活動家、周庭さんについて、香港警察は逮捕する方針を示し、近く指名手配されるとみられています。香港警察は「一生追跡する」などと警告しています。
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香港で民主化運動 周庭さん(27)
「よろしくお願いします。香港には自由を求めるために、人権を求めるために、苦しんでいる人がまだたくさんいます」
周庭さんは、“民主の女神”と呼ばれた、香港の民主活動家です。香港警察は28日夜、周庭さんを逮捕する方針を明らかにし、近く、指名手配するとみられています。
2014年に行われた、民主的な選挙を求める抗議活動「雨傘運動」の中心メンバーだった周庭さん。日本でも記者会見を開き、世界に支援を呼びかけていました。
香港では、中国政府が導入した「香港国家安全維持法」によって、反政府的な動きが取り締まられています。
2020年、外国の勢力と結託し、国家の安全に危害を加えたとして、周庭さんは逮捕されました。その後、保釈されましたが、条件として、警察への定期的な出頭義務が設けられていました。
しかし、今年9月、香港を出て、多くの移民を受け入れているカナダへ渡り、大学院に留学しているといいます。
周庭さん(カナダ・トロント、12月上旬)
「出頭で香港に帰ったら、もうカナダに戻れないのではと恐怖」
「香港には一生帰れない」と、事実上の“亡命”を明らかにしていました。
22日にSNSを更新した周庭さん。
Instagramより(※現在は削除されています)
「みなさん寒いので気をつけて。風邪ひかないでね」
28日が出頭期限でしたが…
香港警察
「約束した時間に出頭しなかった。全力で逮捕する。刑罰から逃げられると思うな、一生追跡する」
29日、周庭さんに連絡を取ってみると…
記者
「(電話には)出ないです」
海外亡命中の民主活動家ら5人を新たに指名手配している香港警察。中国政府による民主化勢力への締めつけが強まっています。