武装集団が…生放送中のテレビ局「襲撃」 エクアドル全国に生中継15分
ニュース番組の生放送中のスタジオを占拠しているのは、目出し帽などで顔を隠した武装集団です。南米・エクアドルのテレビ局で起きたこの襲撃、一体何が。
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エクアドルで9日に生放送されたニュース番組の映像には、スタジオに銃声と悲鳴が響き渡り、スタッフとみられる人々がとっさに床に伏せる様子が映っていました。
フードやマスクなどで顔を隠し、カメラの前で指を立てる武装集団。手には銃を持っているのが見てとれます。
武装集団
「放送しろ! ギャングをもてあそばない方がいいと教えるためにここに来た」
襲撃が起きたのは9日、南米エクアドルの最大都市グアヤキルのテレビ局です。テレビ局によると、この様子は約15分間、全国に生中継されました。
視聴者は…。
視聴者
「何か探してるのかな?」
「言い争っているんじゃないか?」
占拠されたテレビ局には警察が駆けつけました。
警察
「俺たちは発砲しない! 落ち着いてください!」
銃を下ろす武装集団。そして警察が突入しました。ロイター通信などによると、警察は男ら13人全員を逮捕しました。この襲撃で、テレビ局のスタッフ2人がけがをしました。局内には、男たちが使った銃などが散乱していました。
襲撃を受けたテレビ局スタッフ
「彼らはカメラマン1人の足を撃ち、もう1人の腕を骨折させました」
「非常に激しい攻撃でしたが、私たちは生きています。見守ってくれた市民や警察に心から感謝します」
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実は去年以降、エクアドルでは麻薬密売組織が絡むとみられる要人の暗殺が相次ぐなど、治安が急速に悪化。襲撃があった前日の8日には、ギャングのリーダーが脱獄したことを受け、ノボア大統領が60日間の非常事態宣言を出したばかりでした。
しかしエクアドル国家警察によると、宣言以降も複数の都市で少なくとも7人の警察官が誘拐されたほか、爆発も相次いでいるということです。
住民
「私たちは常に恐怖の中で暮らしています。仕事にいくとき、無事に帰ってこられるのかもわからない」
こうした中で起きた生放送中のテレビ局襲撃。現地警察は「テロ行為」として捜査しています。
(1月10日放送『news zero』より)