全人代開幕 国防費は前年比6.6%増
中国の国会にあたる全人代=全国人民代表大会が22日朝、開幕しました。しかし、例年行われてきた経済成長率の目標設定は新型コロナウイルスの影響で異例の見送りとなりました。
李克強首相「新型コロナウイルスの打撃を受け、世界経済の衰退が深刻化し、産業、サプライチェーンにダメージが生じた」
演説で李克強首相は、中国の輸出産業への深刻な影響を強調しました。その上で、ことしの経済成長率の目標の設定を見送る方針を示し、理由として「今後の影響の予測が困難」であることをあげました。
また、新型ウイルスへの対応をめぐっては「大きな成果をあげた」とアピールしましたが、「緊急対応などの面で多くの脆弱さが表面化した。大衆の意見を重視すべき」とも述べました。
一方、李首相は抗議デモが続く香港の治安強化のための法整備にも言及しました。具体的な中身は明らかにされていませんが、香港市民の間では中国政府が直接関与を強めようとするもので「1国2制度を無視するものだ」などと不安の声が広がっています。
また、全人代開幕にあわせて公表されたことしの予算案で、国防費は前年比6.6%増のおよそ19兆2000億円となりました。新型ウイルスの経済への打撃が深刻化する中、軍備の拡大は続ける姿勢を鮮明にしています。