全人代開幕 中国“経済目標”設定見送り
中国の国会にあたる全人代(=全国人民代表大会)が22日朝、開幕しました。しかし、例年行われてきた経済成長率の目標設定が新型コロナウイルスの影響でことしは見送られるなど、極めて異例の展開となっています。
毎年設定される経済成長率の目標は、指導部にとって経済運営の意気込みを示す大きな旗印だっただけに、見送りは新型ウイルスの打撃の大きさを示しています。
李克強首相「新型コロナウイルスの打撃を受け、世界経済の衰退が深刻化し、産業、サプライチェーンにダメージが生じた」
李克強首相は演説で今年の経済成長率の目標の設定を見送る方針を示し、理由として「今後の影響の予測が困難」であることをあげました。その上で、日本円でおよそ15兆円の特別国債を発行するとしたほか、深刻化が懸念される失業問題に取り組む姿勢を強調しました。
また、新型ウイルスへの対応をめぐっては「大きな成果をあげた」とする一方、「緊急対応などの面で多くの脆弱(ぜいじゃく)さが表面化した。大衆の意見を重視すべき」とも述べました。