「国家安全法」採択 “香港統制”決意表れ
中国の国会にあたる全人代は28日、香港の反政府デモなどを取り締まるための「国家安全法」の導入を採択しました。
28日の決定は、中国政府が香港の統制を強めるという決意の表れで、今後、混乱が深まるのは必至の情勢です。
28日午後、反対わずか1票、棄権6票と、圧倒的賛成多数で採択されたこの議案には、中央政府の治安機関の事務所を香港に設置するなどの内容が盛り込まれています。香港議会の関与がないまま、夏にも施行される見通しで、香港の民主派は「一国二制度の破壊だ」などと反発を強めています。
27日も抗議デモが起き、一日で360人以上が逮捕されました。香港政府は感染防止のためとして集会の許可を出しておらず、民主派は抵抗手段を制限されている状態です。
──アメリカ政府の反発も予想されますが、今後の見通しは?
アメリカ側は制裁措置を検討しているとも報じられていますが、中国側は報復措置を取る考えも示していて、一歩も引かない姿勢を強調しています。
ことし9月には、香港の立法会選挙が予定されていますが、中国政府はそれよりも前に国家安全法を施行して民主派に圧力をかける狙いもあるとみられ、情勢は緊迫化しています。