北が連絡事務所を破壊 韓国“対抗措置”も
北朝鮮の国営メディアは、16日午後、開城にある南北共同連絡事務所を完全に破壊したと伝えました。一方、韓国大統領府は強い遺憾を表明し、場合によっては対抗措置を取ると警告しました。
「激しい爆音と共に北南共同連絡事務所が悲惨に爆破された」――朝鮮中央テレビは午後2時50分に南北共同連絡事務所が完全に破壊されたと報じました。
さらに、「クズどもと、それを黙認した者どもの罪の代償を払わせるべきだと怒る人民の心に応じた」とした上で、「当該部門で破壊措置を実行した」と明らかにしました。
一方、韓国大統領府は会見で強い遺憾の意を表明しました。
「全ての事態の責任は全面的に北朝鮮側にあることを明確にする」――その上で、北朝鮮側が事態を悪化させる場合、強力な対抗措置を取ると警告しました。当時、韓国側の人員はおらず、人的被害は確認されていません。
金正恩委員長の妹・与正氏は今月4日の談話で、緊張緩和のための南北軍事合意の破棄や、経済協力事業である開城工業団地の完全撤去にも言及しています。
南北の緊張がさらに高まるのは必至で、融和を進めたい文在寅政権は大幅な戦略の練り直しを迫られることになります。
こうした中、安倍首相は16日夜、南北関係の緊張に懸念を示しました。
安倍首相「南北関係がですね、これ以上、緊張しないことを我々も望んでいるところでございます」
安倍首相はこのように述べた上で、「韓国や米国と緊密に連携しながら情報を分析し、対応していきたい」と述べました。