北朝鮮向けのビラ 脱北者団体が再び散布
北朝鮮が南北共同連絡事務所を爆破するきっかけとなった、脱北者団体による北朝鮮向けのビラの散布が、22日夜遅く再び行われたことがわかりました。
脱北者団体によりますと22日午後11時過ぎから、南北軍事境界線近くの韓国・坡州から、50万枚のビラや1ドル紙幣2000枚などを飛ばしたということです。バルーンには金正恩委員長や妹・与正氏らの顔写真入りのポスターがつけられ、「人民よ立ち上がれ」などと書かれています。
韓国の警察は検問を設けるなど警戒を強めていましたが、団体側は「警察を避けていつもと違うメンバーが奇襲散布した」と主張しています。
ただ、韓国メディアによりますと、バルーンとみられるものが打ち上げ場所からおよそ70キロ南東の韓国国内に落下しているのが見つかったということです。
一方で、軍事境界線近くの北朝鮮側では22日、韓国向けの宣伝放送に使う大型スピーカーが設置されたことが確認されました。2018年に南北の合意で双方が撤去していたものの、韓国メディアは、すでに北朝鮮側が20個あまりのスピーカーを設置したと伝えています。北朝鮮側がさらなる挑発に踏み切る可能性もあり、韓国軍が警戒を強めています。