タリバンの復権から1年…国民を監視 アフガン街の様子は
アフガニスタンでイスラム主義勢力タリバンが再び実権を握ってから15日で1年。アフガニスタンにいる平山晃一記者が今の街の様子を伝えます。
タリバンは、15日をアメリカに勝利して1年を記念する祝日としていて、式典も予定されています。私は2週間弱こちらで取材を続けていますが、首都カブールでは、あちこちにタリバンの検問が設置され、国民を監視して、「恐怖」で統治しようとする雰囲気が感じられます。
13日には女性たちがデモを実施しましたが、タリバンの戦闘員が威嚇射撃をして、解散させました。取材中の記者も拘束されたということで、女性やメディアへの締め付けはますます強くなっています。
タリバンは女子の中等教育をいまだ再開せず、こうした姿勢に国際社会からは強い懸念の声が上がっています。
タリバンが求める国家としての承認や経済制裁の解除に対し、国際社会は人権の尊重を前提としています。
ロシアのウクライナ侵攻でアフガニスタンへの関心が薄まる中ですが、抑圧された生活環境を緩和するきっかけとなり得るのは国際社会からの関与で、引き続き、タリバンへの粘り強い働きかけが求められます。