日本でも確認「XBB.1.5」…急拡大するアメリカでは?
東京都は12日、新型コロナのオミクロン株の変異ウイルスのひとつ「XBB.1.5」について、2022年12月1日以降、都内で15件確認されたと発表しました。アメリカ北東部で拡大している「XBB.1.5」の特徴とは?
■アメリカで急速に置き換わりが進む「XBB.1.5」とは?
2022年秋にアメリカ・ニューヨーク州などで、初めて検出されたXBB。
WHO=世界保健機関によると、2022年10月22日から2023年1月11日までで38か国で確認されました。
そのうち82.2%と、ほどんどがアメリカからだということです。
アメリカのCDC=疾病対策センターの最新の推計では、1月14日までの1週間で新規感染者に占めるXBB.1.5の割合は43%となっていて、2022年12月3日時点の推計2.3%から1か月あまりで、およそ40ポイント増加しています。
地域別ではニューヨーク州などがあるアメリカの北東部が80%以上にのぼっていて、他の地域に比べて突出しています。
■免疫を回避する能力は「最も高い部類」に
WHO=世界保健機関の最新の調査結果によると、免疫を回避する能力がこれまでの変異株の中で最も高い部類に入り、世界の患者数を増やす要因になるかもしれないと分析しています。
一方で重症化しやすいかどうか、ワクチンの効果についてなどは、データがアメリカからしか得られていないため、世界全体としての評価の信頼性は低いとしています。
■「XBB.1.5」の置き換わりが進むニューヨーク州の状況は?
XBB1.5への置き換わりが進むニューヨーク州の新型コロナウイルス陽性者数は、2022年12月上旬に増加しましたが、年末から年始にかけては感染者数は横ばいから減少傾向で推移しています。
アメリカの場合は、家庭用のキットで検査で済ませるケースも多く、実際の感染者はさらに多いと考えられますが、2022年にオミクロン株が流行した時のような急激な増え方にはなっていません。
また、入院患者数は2022年12月から年明けにかけて上昇傾向にありましたが、年明けは減少に転じています。
マンハッタンを歩いていても、PCR検査のテントには閑古鳥が鳴いていて、マスクを着用して歩いている人はあまりみかけず、市民が感染拡大を懸念する様子は見受けられません。
一方、死者については2022年12月から年明けにかけては増加傾向となっていて、ニューヨーク州の保健当局は、新型コロナウイルスとインフルエンザのワクチン接種を呼びかけると共に、屋内の公共空間や人混みなどではマスクの着用を検討するようすすめています。
また、ニューヨーク市周辺では、新型コロナウイルス以外にも、インフルエンザやRSウイルスの感染も広がっていて、アメリカメディアによりますとニュージャージー州などの学校では、マスク着用が再び義務化されているということです。