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日本の脅威にも……金正恩氏、訪露でプーチン大統領と会談か 双方のメリットは?欧米メディア「求めているのは軍事技術」

2023年9月6日 10:16
日本の脅威にも……金正恩氏、訪露でプーチン大統領と会談か 双方のメリットは?欧米メディア「求めているのは軍事技術」

欧米メディアによると、北朝鮮の金正恩総書記が9月に訪露し、プーチン大統領と会談する計画です。専門家によると、北朝鮮は軍事偵察衛星や無人偵察機などを独自開発できません。ロシアからそうした技術の協力を得て開発すれば、日本にも脅威になりそうです。

■9月中旬の国際会議に合わせて会談か

有働由美子キャスター
「列車好きなのでしょうか。北朝鮮の金正恩総書記の、専用列車の中での様子が分かる映像があります。Tシャツ姿で地方の視察に行ったり、軍の幹部らと列車内で会議したりしています」

「その列車で9月にロシアの極東ウラジオストクへ向かい、10~13 日に行われる国際会議に合わせてプーチン大統領との会談を計画していると、欧米メディアが伝えました。注目の会談になりますね」

■4年前には支援を頼む「弱い立場」

小野高弘・日本テレビ解説委員
「金総書記とプーチン大統領というと、これまで1回しか会ったことがありません。それが4年前、場所はウラジオストクでした。その時の金総書記はアメリカのトランプ大統領(当時)との会談が物別れに終わってしまい、いたく落ち込んでいました」

「プーチン大統領にも『私のことを支援してくれませんか』とお願いするような弱い立場でした」

有働キャスター
「それからすると、4年で随分と状況は変わりましたよね」

小野委員
「変わりました。象徴的なのが7月の出来事でした」

「金総書記は、首都・平壌を訪れたロシアのショイグ国防相を嬉々として出迎え、ミサイルやドローンを披露しています。いずれもロシアがウクライナ侵攻で必要としている兵器です。北朝鮮はロシアを支援する、という意思表示のように見えます」

■北朝鮮にとってのメリットは?

有働キャスター
「今回は金総書記が支援する側であると。メリットがあるから支援するわけですよね」

小野委員
「欧米メディアは『金総書記がロシアに求めているのは、原子力潜水艦や軍事偵察衛星の技術だ』との見方を伝えています。軍事に詳しい笹川平和財団上席フェローの小原凡司さんは『日本にとっても脅威になる』と指摘しています」

「小原さんによると、北朝鮮が力を入れる軍事偵察衛星や無人偵察機などは北朝鮮独自で開発できず、ロシアの協力が必要なので求めています。これらがあると、アメリカ軍の艦艇を攻撃することも可能になり、在日アメリカ軍基地への攻撃にも使えます」

「小原さんは、ロシアの協力を得て北朝鮮がこういったものを開発すれば、日本にとっても危険が高まることになるとみています」

■落合さんに聞く…日本への影響は?

落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「日本は地政学的に、これらの国の緩衝地帯にいるので、対応は必須でどうしようもない問題だなと思っています。隣からミサイルが試験的に、毎週のように飛んでくる状態は非常に異常です」

「相手が原子力潜水艦など(防衛力)強化の構えを見せているのであれば、こちらも防衛予算をしっかり取るなどして対応する必要があるというのは、避けられないかなと思います」

有働キャスター
「北朝鮮とロシア、お互いにメリットがあるのは怖いなと思いますが、では日本はどうするのか。岸田首相は 5 日、インドネシアへ出発しました。ASEANやG20の会合や国連総会に出席し、各国とどう連携を深めていくのか、外交手腕が問われる場面です」

(9月5日『news zero』より)