北朝鮮「軍事偵察衛星」で“次のステージ”なぜ?……金総書記「最終準備急げ」 狙いは「アメリカを思いとどまらせたい」
北朝鮮の金正恩総書記が、敵の基地を狙い撃ちするための軍事偵察衛星が完成したとして、打ち上げに向けた最終準備を急ぐように指示しました。北朝鮮が“次のステージ”に入った可能性が指摘されています。国際社会に何を示したいのでしょうか?
■金総書記の視線の先に…地球と衛星
有働由美子キャスター
「北朝鮮が“次のステージ”に入ったという可能性が指摘されています。18日に撮影された写真にヒントが隠されています。まず1つは地球儀です。そして、金正恩総書記の視線の先にある、地球と衛星のようなものです」
「写真が撮られたのは、北朝鮮の国家宇宙開発局です。金総書記は、軍事偵察衛星が完成したとして、打ち上げに向け最終準備を急ぐように指示しました。これの何が“次のステージ”なのでしょうか?」
■米の攻撃で…専門家「体制破壊に恐怖」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「北朝鮮は軍事偵察衛星を使って、13日にJアラートも出された新型ICBM『火星18』といったミサイルを、いつどこに正確に発射するか、というステージに入ったようです」
「この軍事偵察衛星は、宇宙空間からいわゆる敵の基地がどこにあるのかなどの情報を得て、そこを狙い撃ちするためのものです。北朝鮮が打ち上げに成功すれば初めてのことになります」
「ただ、北朝鮮はこれを『戦争抑止のため』としています。軍事に詳しい笹川平和財団上席フェローの小原凡司さんは『北朝鮮が今一番恐れているのはアメリカに核を載せた弾道ミサイルを撃ち込まれ、今の金正恩体制を壊されることだ』と言います」
■偵察衛星もロシアから技術支援か
小栗委員
「そこで、この偵察衛星でいち早く情報を得て、『もし攻撃をしてくるなら撃ち返す能力を持っているぞ』と国際社会に示すことで、アメリカを思いとどまらせたい、ということのようです」
有働キャスター
「北朝鮮はこういった技術を既に持っているということですね?」
小栗委員
「小原さんは『持っている可能性が高い』と指摘しています。実際、13日のICBMなどはロシア製のミサイルと似ているということです。偵察衛星についても、ロシアからモノや技術支援を得ている可能性があるといいます」
■辻さん「政府はしっかり情報発信を」
小栗委員
「では、いつ頃打ち上げるのか。北朝鮮は、去年12月の時点では4月までに発射準備を終えると表明していました」
辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー)
「先日、北海道に住む友人がJアラートで『逃げろとだけ言われてもどこに逃げたらいいか分からず焦った』と言っているのを聞いて、北朝鮮のミサイル問題のリアリティーや緊張感がぐっと高まったように感じました」
「この先、どれだけの危険があり得るのか、いざという時の適切な行動も含めて、政府はしっかり情報発信してほしいなと思います」
有働キャスター
「もう一つ私が気になったのは、今回もずっと一緒にいる、ジュエ氏とみられる娘さんです。未成年に見える娘を、なぜ軍事の場面に頻繁に登場させているのか。子どもを神格化の道具に使ってほしくないなと率直に思います」
(4月19日『news zero』より)