米大統領選で注目 “副大統領候補”とは
知っておきたいデータや情報をひもとく「input」。今回は「アメリカ大統領選で注目を集める“副大統領候補”について」。日本テレビ国際部・藤吉有咲記者に聞いた。
大統領選でトランプ大統領と争う野党・民主党のバイデン氏は、来週、自ら選んだ副大統領候補を発表する方針です。実は今回、誰がこの“副大統領候補”に選ばれるか、かつてないほどの注目が集まっています。アメリカの副大統領についてどのようなイメージを持っていますか。
――バイデン氏自身もオバマ政権で副大統領でしたが、正直あまり印象はないですね。
合衆国憲法では、大統領が職務を遂行できなくなった時は、副大統領が代わりにすべての権限を担うとされとても重要なポジションなのですが、普段は明確な役割はないのです。
――ではなぜ今回は副大統領候補に注目が集まっているのでしょうか。
主に3つの理由があります。
まず、副大統領候補は、バイデン氏の“ランニングメイト”いわば選挙戦の“相棒”になるためです。バイデン氏には熱狂的な支持層が少ないとされており、そこを補う存在感のある人物が選ばれるとみられています。
次に、副大統領になる人は“未来の大統領”になる可能性があるからです。バイデン氏が大統領になると、就任時には78歳でアメリカ史上最高齢となります。その場合、4年後に82歳となり2期目はさすがに厳しいのではともみられています。そうなると、副大統領が大統領候補として出馬する可能性が出てくるわけです。
――次の、次の大統領になる可能性がある、ということなのですね。
そうですね。そして最後に、バイデン氏は「副大統領には女性を選ぶ」と明言していますので、当選すれば初の女性の副大統領が誕生します。
――具体的には、どのような顔ぶれが候補としてあがっているのでしょうか。
現在、選考は大詰めを迎えていますが、十数人の名前が挙がっています。ただ、アメリカでは“Black Lives Matter=黒人の命は大切だ”を掲げ、人種差別への抗議デモが続いていますので、それを意識して黒人女性を選ぶよう求める声も高まっています。主な候補者に気になる方はいますか。
――ハリス氏は大統領候補の指名争いにも出ていましたよね。
はい。途中で撤退して、今はバイデン氏を支持しています。父はアフリカ系、母がインド系の移民で、全国的な知名度もあり、本命候補では、とされています。
ライス氏は、オバマ政権で大統領補佐官として存在感を示しました。
アトランタ市長のボトムス氏は“Black Lives Matter”のデモをめぐって、トランプ大統領の対応を厳しく批判して注目されました。
――皆さんそれぞれに特徴があって誰が選ばれるのか注目ですね。
そうですね。今回は新型ウイルスの影響で異例ずくめの選挙戦となっていて、その意味でも目が離せない展開が続きそうです。
【the SOCIAL inputより】