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モロッコ地震「女性の避難生活」に課題 外で着替え…生理用品がない “声を上げにくい”環境も

2023年9月14日 17:40
モロッコ地震「女性の避難生活」に課題 外で着替え…生理用品がない “声を上げにくい”環境も

これまでに2946人が死亡した北アフリカ・モロッコの地震。震源地に近い山岳地帯は支援が行き届いているとはいえない状態です。プライバシーがない中、女性が避難生活をおくるうえでの課題も浮き彫りになっています。

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モロッコの被災地では今も余震がおきています。イミンタラの捜索現場では救助隊員らが一斉に走りだし、揺れの影響で砂煙が上がる様子も見られました。

震源地に近いアミズミズでは、地震の記憶や余震への恐怖から、夜眠ることができないという人もいます。

被災した女性
「きのうは朝4時まで眠れませんでした。怖いんです。何かが動くと地震かと思ってしまって。誰か話を聞いてくれる人が必要です。私たちの痛みを取り去るために」

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これまでに2946人が死亡したモロッコの地震。震源地に近い山岳地帯は支援が行き届いているとはいえない状態です。

山あいの街にある避難所には500人を超える被災者が暮らしていますが、給水車が来るのは1日2回だといいます。電気や水道などライフラインが断たれたため、避難した192世帯で飲み水を分け合っています。

15歳のレイラさんは地震で自宅が倒壊し、両親や3人の弟、妹と避難を余儀なくされています。避難生活の中でレイラさんが困っているのが、プライバシーがない中での避難生活。その大変さを打ち明けました。

レイラさん(15)
「外で着替えるのは本当に大変です。生理がいつくるかわからない。生理用品もありません。シャワーもないです」

こうした中、ボランティア団体は女性の避難生活を支援するため動き出しました。団体の副代表は、女性が生理的なことについて声を上げにくい環境は問題だと指摘します。

支援団体 副代表
「文化的な問題もあると思います。多くの女性たちや若い女の子は、女性のニーズや生理用品などについて声を上げることを恥だと感じているんです」

ボランティア団体では、声を上げづらい人々にスタッフ側からアプローチして生理用品などを手渡しています。レイラさんは配布を手伝い、必要なものを必要だと声を上げられるようにしたいと話していました。

今回の地震の被災地でもボランティアの多くは男性で、女性の視点が欠けていると指摘されています。

被災した女性
「トイレもないので、どこか遠くにいって隠れられる場所を探すんです」

また、避難キャンプは過密状態で数家族が同じテントの中で暮らすため、性暴力などの被害にあうことがあるといいます。

避難所の看護師
「避難が長引けば長引くほど、暴力を誘発する可能性が高まるんです」

避難生活の長期化が予想される中、女性の視点に立った支援が求められています。