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地震当日に生まれた命を守る おむつ・ミルク…避難所での“助け合い” モロッコ死者2900人超

2023年9月13日 5:51

強い地震が起きた北アフリカ・モロッコでは日本時間12日、生存率が急激にさがる“72時間”をすぎても、懸命な救助活動が続けられていました。家屋をなくした人たちのために立てられたテントを訪ねると、母親に抱かれた小さな赤ちゃんが…。地震が起きる11時間前に生まれたといいます。

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日本時間12日午後8時すぎ。NNNのカメラが、震源地から約10キロの町、モロッコ・イミンタラに入りました。もっとも被害が大きかったという場所では、1人が家屋に生き埋めになっているということで、懸命な救出活動が続いていました。

地震発生から間もなく4日。一帯は、がれきや木などで埋もれ、ハンマーやスコップなどで撤去する作業が続けられていました。

――この地域で何人が助かった?

「100人以上が助かったと聞きました。160人ほどが亡くなりました」

機械もなく人の手で、いまも救出活動が続けられています。

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震源地から約40キロのアスニでは、家屋をなくした人たちのために、緊急でテントが立てられていました。その1つを訪ねると、中には母親に抱かれた小さな赤ちゃんがいました。

母親・ハディジャさん(22)
「女の子です」
「この子は8日の昼12時に生まれました。その日の夜中に地震が起きたんです」

8日の深夜、モロッコで発生した大地震で、これまでに2900人以上が亡くなり、5530人がケガをしたといいます。

中部の都市マラケシュも大きな揺れが襲いましたが、その約11時間前、このマラケシュにある病院でハディジャさんは出産しました。地震の後、病院から避難するよう言われたといいますが、「夫は『家に帰れない』と言って、そのままここ(アスニ)に避難してきたんです」と話しました。

ハディジャさん夫婦が住んでいるのは、アスニの郊外の山。しかし道路が地滑りで封鎖されてしまい、たどり着けなかったといいます。生まれたばかりの赤ちゃんがいる中での避難生活に、悩みもあるといいます。

父親・モハメッドさん(30)
「かなり大変です。体をきれいにしたり、おむつを替えてあげたり、必要なお世話をしてあげられないのが苦しいです」

そんな家族を助けてくれたのは、同じように避難してきた人たちでした。

避難者
「ミルクがほしいのかな? そう、ミルクがほしいのね」

母親・ハディジャさん(22)
「この子のための新しい服とおむつとミルクが必要だったのですが、近所の人が助けてくれました」

じゅうたんや毛布なども分けてくれたといいます。

父親・モハメッドさん(30)
「この子には自分のためでなく、他の人や家族にとって助けになる人になってほしいと思っています」

(9月12日放送『news zero』より)