「この子は喜び」巨大地震の当日に誕生 “奇跡の赤ちゃん”を訪ねて… 避難生活は モロッコ
北アフリカのモロッコで今月8日に起きた強い地震。日本時間の12日午前7時すぎ、生存率が急激に下がるといわれる「発生から72時間」を超えました。
こうした中、モロッコ中部のマラケシュから南に約50キロ、震源に近い、山あいの村アスニでは、家屋をなくした人たちのために、緊急でテントが立てられていました。
「地震の日に生まれた“奇跡の赤ちゃん”がいる」と聞いて訪ねると、テントの中に、母親に抱かれた小さな赤ちゃんの姿がありました。
母親 ハディジャさん(22)
「この子は8日の昼に生まれました。その日の夜中に地震が起きたんです」
ハディジャさんの赤ちゃんは、モロッコを大地震が襲う約11時間前に生まれました。
ハディジャさんは出産したマラケシュの病院から、夫とともに車で65キロほど離れた自宅へ向かっていました。ところが、道路が地滑りで閉鎖されていたため、途中のアスニ村で足止めになったといいます。
母親 ハディジャさん(22)
「この子のための新しい服とおむつとミルクが必要だったのですが、近所の人が助けてくれました」
地震はつらかったけれど、それに勝る喜びを得たと語ります。
母親 ハディジャさん(22)
「この子は喜びです。神様からの贈り物です。この子が生まれてくれて、みんな喜んでいます」
モロッコ政府によると、この地震で死亡した人の数は2800人を超えています。重傷者も多い中、いかに早く救助や支援を届けられるか、時間との戦いが続いています。