地震発生から4日 救出活動続く 家族も家も奪われ…震源から約10キロの村では モロッコ
8日深夜に北アフリカのモロッコで起きた強い地震。発生から4日たった12日にも救出活動が行われていましたが、難航しています。NNNが震源から約10キロの村に入りました。
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記者(モロッコ・イミンタラ、12日)
「こちらの震源に近い町では、地震が起きた瞬間、ほぼすべての家屋が破壊されました。残された品物に人々の生活のあとが残っています」
震源から約10キロの場所にあるイミンタラは、8日に発生した地震で甚大な被害を受けた場所の1つです。発生から4日がたった12日も、生き埋めになった人々の救出活動が行われていました。
フランスやスペイン、カタールなど、国外からの救助隊も加わり、救助犬も投入されました。
捜索に加わった住民
「おととい1人の女性が救出されたのですが、搬送先の病院で亡くなってしまいました」
生存率が急激に低下するとされる「72時間の壁」を過ぎ、状況はさらに厳しくなっています。捜索活動を見守る人垣の中に1人の女性がいました。
「息子よ…息子よ…」
斜面に横たわる巨大な岩。地震で自宅の裏にある崖が崩れ、家が押しつぶされたのです。女性は外出していて無事でしたが、息子夫婦や孫が亡くなったといいます。
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この日、がれきと化した村を歩いていた26歳のハッサンさんに話を聞きました。70キロほど離れた町で仕事中に地震が発生し、オートバイを飛ばして村に戻ったといいます。
ハッサンさん(26)
「夜中の2時に村に戻りましたが誰もいなくて衝撃を受けました。まるで悪夢を見ているみたいでした」
自宅があったという場所は、がれきになっていました。
ハッサンさん(26)
「父を昨日発見し、母と祖母をおととい見つけました」
両親と祖母は倒壊した家の下敷きになり、亡くなったということです。地震で、家族も家も奪われたハッサンさん。「18歳の妹を連れて村を出ることを決めた」と語りました。
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モロッコ政府はこれまでに2900人以上が亡くなったと発表。負傷者も増え続けるなか、救助や支援をどのように行き渡らせるかが課題となっています。