仏政権、年金改革法案を投票なしで採択 抗議活動が激化の可能性も
フランスのマクロン政権は、議会に提出した年金改革法案について、憲法の規定に基づき、投票なしで採択する手続きを実行しました。世論が強く反対する中、強権を発動した形で、抗議活動が激化する可能性も出ています。
フランスでは、マクロン政権がことし1月、年金の受給開始年齢を62歳から64歳に引き上げることを柱とする改革案を発表したことに対し、労働組合側が強く反発しています。
発表以降、全国で大規模なストライキや抗議デモが続いていて、パリではストライキの影響で、回収されないゴミがあふれる事態となっています。
こうした中、マクロン政権は16日、下院にあたる国民議会で、改革法案について、賛成多数が得られないと判断し、憲法の規定により投票なしで採択する手続きを実行しました。
ただ、野党が内閣不信任決議案を提出し可決されれば、法案も否決となることから、野党側は不信任案を用意しているほか、デモなどが激化する可能性も出ています。