ロシア外相“停戦協議をアメリカが妨害”
ウクライナ南東部などで戦闘が続くなか、ロシア軍は、迎撃が難しいとされる「極超音速ミサイル」で西部のウクライナ軍の施設を攻撃したと明らかにしました。極超音速ミサイルが使われるのは初めてのことです。
ロシア国防省によりますと、南東部のマリウポリで、ロシア軍は包囲網を狭めながらウクライナ軍と戦闘を行っているということです。
マリウポリ市内には、いまだ市民らおよそ35万人がいるとされ、中心部で本格的な戦闘が始まれば、犠牲者がさらに増えることが懸念されます。
北東部のハリコフでは18日、大学が砲撃をうけ、建物が崩壊しました。がれきの中から男性1人が救出されましたが、1人が死亡、複数のけが人がでています。
こうしたなか、ロシア国防省は、ウクライナ西部の軍事関連施設に対し、戦闘機に搭載した極超音速ミサイル「キンジャール」で攻撃を行ったと発表しました。ウクライナへの侵攻後、極超音速ミサイルの使用が明らかになったのは初めてです。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ビデオメッセージを公開し、ロシア側に会談による解決を呼びかけました。
ゼレンスキー大統領「特にモスクワの人たちに聞いてほしい。話し合いの時がきた。いまこそ話し合うべきだ」
ゼレンスキー大統領はまた、ロシアに対し、交渉こそが自らの過ちによる損失を減らすための唯一の方法だと訴えました。
これに対しロシアのラブロフ外相は19日、ウクライナとの停戦協議について、アメリカが妨害していると主張しました。
露ラブロフ外相「ウクライナとの交渉において、ロシアの最低限の要求さえ認めさせないよう、アメリカがウクライナの代表団をおさえ込んでいる」
ラブロフ外相はこう述べたうえで、「ロシアは中国との協力を強化していくだけだ」と述べ、経済制裁などで圧力を強める欧米諸国をけん制しました。