ウクライナ・マリウポリで民間人2000人超死亡 4日で死者約2倍に
ロシアによるウクライナ侵攻で、ロシア軍に包囲され激しい攻撃にさらされている南東部のマリウポリでは、民間人の死者が2000人を超えました。
これは地元当局が13日発表したもので、マリウポリではこれまでに民間人2187人が死亡したということです。今月9日の時点で死者は1170人でしたが、わずか4日で2倍近くに増えた形です。ロシア軍の妨害などにより水や食料、医薬品などの補給も滞っていて、深刻な人道危機となっています。
一方、ロシア軍はウクライナ西部への攻勢を強めています。地元当局によりますと、西部ヤボリウにある軍事施設がミサイル攻撃を受け、これまでに35人が死亡しました。
この施設は、ポーランドとの国境からおよそ25キロの場所にあり、ロイター通信によりますと、ウクライナ軍とNATO(=北大西洋条約機構)との合同軍事演習も行われてきました。軍事的な支援を行う欧米側をけん制した形です。
この攻撃に対し、アメリカのサリバン大統領補佐官はNBCテレビの番組で、「ロシアが標的を拡大しようとしているのは驚きではない。主要都市を奪えないことなどにいらだちを感じているからだ」と述べ、西部への攻撃拡大には、ロシアのいらだちがあらわれていると指摘しました。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は13日、戦闘で負傷したウクライナ軍兵士を見舞うため病院を訪れました。
ゼレンスキー大統領「みんな(体調は)どう?」
兵士ら「大丈夫です」
場所は明らかになっていませんが、大統領は兵士らとの記念撮影に応じたり、医療従事者らに献身をたたえるメダルを授与したりしたということです。大統領はこのほか検問所も電撃訪問していて、前線に立つ兵士らを鼓舞しています。
こうした中、ロシアのペスコフ大統領報道官は、次回の停戦協議が14日に行われることを明らかにしました。ウクライナの大統領顧問は、「ロシアとの建設的な話し合いが始まっていて、数日中に何らかの成果が得られると思う」と述べたほか、ロシア代表団の1人も「間もなく双方が合意できるかもしれない」と話したということです。